2016年度なわてんグランプリ|AGORA賞「BLANK TOWER」行武元さん
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2016年度なわてんグランプリ|AGORA賞「BLANK TOWER」行武元さん #nawaten #カードゲーム #卒業制作 #なわてん


2016年度なわてんグランプリの特別賞AGORA賞には、行武元さん(デジタルゲーム学科・ヴィジュアルコミュニケーションデザイン研究室)による、カードゲーム「BLANK TOWER」が選ばれました!おめでとうございます!

2016年度なわてんグランプリ|AGORA賞「BLANK TOWER」行武元さん

【京阪ジャーナル社 月刊アゴラ編集長 安里他恵子氏のコメント】
アゴラ賞の評価のポイントは、社会においてのコミュニケーション能力があるかということです。学生から社会人として場が変わり、社会生活を送る上で、重要なのは、他者との関係性を続けて行く中で、他者を受け入れながらも自分を信じられる強い主体性です。ありがたいことに、四條畷キャンパスの学生たちは、技術と芸術性というスキルを学んだことを武器にして実践の機会に恵まれてきました。なによりだと思っています。
さて、今回のアゴラ賞についてですが、カードゲームというアナログ手法と、建築偽装事件からヒントを得たという作品発想の原点に着目しました。他の学生の作品には最新技術や未来性など多くの魅力を感じましたが、あえて行武君がカードにしたのはなぜか。このカード使用年齢は12才からだとか。カードは年代を超えて場や会話を共有するツールであること、そして、このカードゲームはカード一枚によって工事中のタワーが脆くも崩れるというストーリーの妙。考えようによっては偽装工事を暴く社会正義のメッセージにも通じる。おもしろいと感じました。スキル面としては、カードのイラストにピクトグラム等の工夫等も考慮していたことも評価しました。これから実社会で企画する力は重要です。どんな業種であれ、あらゆる分野で人の役に立ちうる発想ができるあなたの可能性を応援します。

行武さん:自分のイメージしていた通りに伝わっていると感じて、とても嬉しいです。ありがとうございました。

2016年度なわてんグランプリ|AGORA賞「BLANK TOWER」行武元さん

【作品解説】
今回の卒業制作として制作したのは、「違法建築」を題材にしたカードゲームである。現代における建築問題を取り上げ、少し現代への皮肉を込めた作品だ。カードを1枚ずつ重ねていき、そのカードの束を「塔」に見立て、全てのプレイヤーの手札がなくなったタイミングで最も高い塔を作りあげたプレイヤーが勝者となる。カードの種類には3種類あり、塔の主な材料となる「資材カード」、自分をより有利な立場にもっていく「トラップカード」、自然災害などで全体に影響を与える「イベントカード」、それぞれのカードを上手く利用することが勝利の鍵となる。「資材カード」には「木材」「石材」「鉄材」の3種類が存在する。「トラップカード」はそれぞれの別の効果を持っており、計6種類の効果が存在する。「イベントカード」は、「資材カード」や「トラップカード」と一緒に混ぜる縦向きのカードと、それとは別の山として準備されるイベントの内容が描かれた横向きのカードが存在する。それぞれの効果は割愛するものとする。さらにこのカードゲームには、ベースとなっているトランプゲーム「ダウト」をリスペクトした、他のプレイヤーの塔の偽装を暴くシステムもある。
この作品において重点を置いたのが、「簡易的な表現による情報伝達」である。「ピクトグラム」を基調としたカードデザインを心掛け、カードの情報をシルエットや輪郭のみで表現したのが主な研究内容となる。そこに付随するゲームシステム面もまた研究内容であり、飽くまで商用物を目標とした制作である。