2018年度なわてんのメインビジュアルは、青空が一転して嵐に…いったい何が?
さて、今年度のなわてんのロゴは、青空が一転して嵐に…?
このデザインには一体どんな意味が込められているのか、ヴィジュアルデザイン研究室の3回生の皆さんが考えたコンセプトを聞いてきました。
毎年なわてんではその年のテーマカラーを元にデザインがされていますが、今年度のテーマカラーは「青 – Blue」です。
ゼミでは、青からイメージするキーワードを出し合いました。
でも、ただ青色のものの連想だと「銀行のロゴによく使われる色」や「Twitterのアイコン」など卒業研究・卒業制作と関係なくなってしまいます。
「青」と「卒業研究・卒業制作」を結びつける言葉やイメージを考えて頭を抱えている時に、青という色についてのヒントをもらいました。
古代日本の基本色は「アカ・クロ・シロ・アオ」の4色?
アカ? | クロ? | シロ? | アヲ? |
- アカ(赤)は、「ア(明)ける」「アカ(明)るい」とという言葉と語源が同じ。
- クロ(黒)は、「ク(暮)レる」「クラ(暗)い」という言葉と語源が同じ。
- シロ(白)は、「シル(知)」「シルシ(印)」という言葉と語源が同じで、はっきりした様を表す「シル(顕)し」が転じたもの。
- アヲ(青)は植物の「アヰ(藍)」と語源が同じで、「シル(顕)し」の対語で、はっきりしないという意味が転じたもの。
- 参考リンク:日本語の色名とその語源|Wikipedia
という説があるんだそうです。
「アカアカと」「シラジラと」「クログロと」「アオアオと」のような使い方ができるのもこの4色だけなんだそうです。
この色を古代の色に置き換えてみると、こんな色になるそうです。
朱・緋 あけ |
玄 げん |
白 しろ |
灰青 はいあお |
この「古代の青」に繋がる言葉にはどんな物があるかというと…
出てきました…。
- 参考リンク:語源由来事典「青」
「青春」「青龍」「青天の霹靂(へきれき)」
国語辞典で調べる間でもなく、「青春」とは、
- 夢や希望に満ち活力のみなぎる若い時代を、人生の春にたとえたもの。(大辞泉)
- (夢、野心に満ち、疲れを知らぬ)若い時代。(新明解国語辞典)
という意味ですが、ではこの語源は何か知っていますか?
五行説(ゴギョウセツ)とは中国古代の思想で、万物は「木・火・土・金・水」の五つの元素が循環して変化するという考え方です。
- 参考リンク:五行思想|Wikipedia
五行説では、青は四神のうちの東方を守る青龍、季節は春、となっています。
「青春」は、もともと春を表す言葉でしたが、転じて、「人生の若く未熟だが元気で力に溢れた時代」のことを表すようになりました。
「竜」は、古代から神話や物語に登場する想像上の動物で、ゲームやファンタジーの中に度々登場するキャラクターとして私たちの学科でも馴染みがありますよね。
普段は水中に住んでいて、空にのぼると雲を起こすとされ、雲の中には竜がいると考えられていたようです。
ちなみに「雲」という漢字は、雲の中に入っていく竜の尻っぽを表した形が元になっていると言われています。
「青天の霹靂(へきれき)」とは、「澄み切った青空に突然雷が鳴り響く」という意味で、「予想外の事件」の例えとして使われる言葉です。
どちらかというと、突然の衝撃的な出来事に対して使われる言葉ですが、もともとは、病床に伏していた詩人が突然起き上がり、筆を走らせたその勢いを雷に例えたものです。
そして、竜と雲からこんな言葉を見つけました。
竜の雲を得る如し
竜が雲を得て天に昇るように、英雄豪傑などが機に臨んで盛んに活躍するたとえ。|コトバンク
「青い空と白い雲」で予定調和の青春ビジュアル、ということではなく、青龍の如く大いに暴れて、見に来る人たちをアッ!と言わせる研究・作品を発表してほしいという願いが込められています。