2025年度なわてんメインビジュアル制作「チョコミントの意外性」から考える配色とAI表現
メインビジュアルのテーマと色彩
2025年度なわてんのテーマカラーは「緑(ミント)」です。
新鮮さ、若々しさ、軽やかさといったイメージを持つ色であり、今年度の雰囲気を端的に表すものとして設定しました。
メインビジュアルでは、3DCGとAIを組み合わせ、テーブルいっぱいに並んだミントスイーツの世界を制作しています。
ここで着想の手がかりになったのが、チョコミントというフレーバーです。
甘さと爽やかさが同時に成立しているこの組み合わせは、人によって好みが分かれる一方で、「なぜかクセになる」と感じる人も少なくありません。この感覚的なズレは、実は配色の理論とも重なっています。
私たちが日常的に目にしている自然の色は、太陽や照明が上から当たることで、「上が明るく、下が暗い」という構造を持っています。
植物でいえば、上の葉は若く明るい黄緑、下の葉は深く暗い緑、という具合です。

これを色相環で見ると、黄色寄りの色ほど明るく、青寄りの色ほど暗くなるグラデーションになります。
このような配色は「ナチュラル配色」と呼ばれ、自然で安心感のある印象を与えるため、ナチュラル系の商品パッケージ、たとえばペットボトルのお茶などによく用いられています。
一方で、黄色に近い色ほど暗く、青に近い色ほど明るくしたグラデーションはどうでしょうか。
これは「コンプレックス配色」と呼ばれ、自然界ではあまり見られない色の並びです。そのため、不自然さや非日常性、人工的な印象を表現する際に使われます。

実は、この関係がチョコミントの配色とよく似ています。
甘いのに爽やか、という感覚的な意外性が、色の構造としても内包されている。今回のメインビジュアルでは、この「ズレ」を積極的に取り入れています。
AIとCGを組み合わせた制作
今回の制作では、AIを単なる自動生成ツールとしてではなく、表現のプロセスに組み込むことを意識しました。
特に、静止画にとどまらず、動きのあるグラフィックへと展開する点を一つの試みとしています。
Adobe Project Neoでモデルと構図を作成
Adobe Project Neoは、ブラウザ上で使用できる3DCGモデリングツールです。
なわてんロゴをSVGデータとして読み込み立体化し、円柱や立方体などの基本形状を組み合わせて、全体の配置と構図を設計しました。
モデリング作業自体は、この段階で完結しています。

Adobe Project NeoとFireflyの連携
Project NeoはFireflyと連携することで、構図を固定したまま画像生成が可能です。
プロンプトを与えると、球体や立方体がミント系のお菓子へと変換されていきます。
構図や指示文を調整しながら何度も試行し、最終的な一枚を選びました。

Runwayによる動画生成
完成した静止画をもとに、動画生成AIのRunwayを使って数十秒の映像を制作しました。
Runwayでは、カメラワークを撮影用語で指定できるため、「テーブル上をゆっくりパンする」といった指示を与え、視点が移動する映像表現を行っています。

🎓2025年度なわてん開催!
— なわてん 大阪電気通信大学 総合情報学部 卒業研究・卒業制作展 (@nawaten_info) December 24, 2025
📱オンライン:2026/2/2(月)〜3/27(金)https://t.co/fOrEFyd9dS
🏫学内展示:2/7(土)・8(日) 11-16時
寝屋川キャンパス
🏆2/8(日)なわてんグランプリ授賞式
4年間の集大成をぜひご覧ください。#なわてん #大阪電気通信大学 pic.twitter.com/cIMjU7VRhd
AIで作るのか、AIと作るのか
授業でも、このようなツールは比較的短時間で習得され、学生それぞれの制作に応用されています。

一方で、AIは「平均的にもっともらしい答え」を出すことには長けていますが、何を作るべきかを自ら判断することはできません。
だからこそ、制作者側が「何を、どう表現したいのか」という意思を持つことが重要になります。
これから先、AI抜きのクリエイティブは考えにくくなっていくでしょう。その中で生まれるのは、AIを使うか使わないかの差ではなく、どう使うかという姿勢の差です。
答えを受け取るだけなのか、それとも共に作るパートナーとして関われるのか。
その選択が、これから制作に関わる人たちにとって大きなテーマになっていくと考えています。
