なわてんグランプリ 2025年度なわてん

【メディアデザイン部門賞受賞作品のご紹介】2025年度なわてんグランプリ


2025年度なわてんグランプリメディアデザイン部門賞には、全93作品の中から、メディア表現、メディアインタラクション、メディアコミュニケーションの観点で優れた9作品が選ばれました。

受賞作品と審査委員のコメントをご紹介します。

審査委員 和田先生のコメント

本年度のメディアデザイン部門の受賞作は、レーザーマッピング、映像、インタラクティブコンテンツ、イラスト、立体造形、編み物、ゲームエンジンを用いたリアルタイムエフェクト、サウンド系の表現と、扱うメディアが非常に多様で、部門としての広がりと強さを感じさせるラインナップでした。

作品タイトルのリンクから、なわてんオンラインの作品ページをご覧いただけます。

1. ヒューマンビートボックス講座アプリ(目崎悠太さん)

(和田)目崎さんの作品は、初心者がヒューマンビートボックスを体験しやすいように設計されたアプリです。作者自身の経験に基づいた発想が、内容と設計の説得力につながっています。体験の入り口を丁寧に作った点を評価しました。

2. 魔法陣を用いたビジュアルエフェクトの操作(宇藤雅人さん)

(和田)宇藤さんの作品は、創作における魔法の構築を擬似科学的な仕組みとして組み立て、直感的にエフェクトを作れる体験に落とし込んだものです。Unityを使用し、WebGLで実際に動く形まで統合し、実用性と没入感の両方を成立させています。独創性の高さを評価しました。

3. かぎ針で編む枯れない花(大西輝美果さん)

(和田)大西さんの作品は、消えゆくものを手でとめるというテーマを、かぎ針編みを軸に作品としてまとめたものです。手を動かす行為から出発し、それをどう見せ、どう伝えるかをデザインとして整理しています。伝達の設計まで含めた完成度を評価しました。

4. 地元の色~local colors~(岩本瑞歩さん)

(和田)岩本さんの作品は、地元・大阪の福島を路地裏まで取材し、膨大な素材を色という視点で整理して提示した作品です。展示方法にも工夫があり、取材の厚みと選び抜く編集の力が作品の説得力につながっています。その点を評価しました。

5. 金剛力士像のデジタルクローンと現代美術の融合(折本一輝さん)

(和田)折本さんの作品は、金剛力士をデジタルで再構築し、3Dプリントの立体と3DCGポスターの両方で提示したものです。資料不足の部分や、歴史資料に基づく再現設定、造形上の課題への対応まで丁寧に積み上げています。文化財の魅力を親しさと迫力で伝えた点を評価しました。

6. AR技術を用いた、現実と仮想が融合したフィギュアの制作(大槻紘太朗さん)

(和田)大槻さんの作品は、3Dプリントで制作したフィギュアとVRを組み合わせ、空間全体へ世界観を拡張した意欲作です。リアルの使いどころを整理した設計で、拡張現実ならではの体験を成立させています。リアルとデジタルの融合を実現させた点を評価しました。

7. DIMENSIONS AND DISPLAYMETHOD(村林虎さん)

(和田)村林さんの作品は、同じイラストをサイズや媒体を変えて展開し、見え方の違いを体験として示した展示です。大判印刷の迫力とグッズの親しさの両方を生かして、表現の可能性を広げています。ポップな色彩と躍動感のある表現も含めて評価しました。

8. 境映(南本衡太朗さん)

(和田)南本さんの作品は、目で見たものとカメラを通して見たものの違いを、映像としてスタイリッシュに表現したものです。テーマ設定として興味深く、映像としてもよくまとめられている点を評価しました。

9. レーザーマッピング作品「光種」(石田実蘭さん)

(和田)石田さんの作品は、命をテーマにフルカラーレーザーという新しい表現形式に挑戦したものです。3DCGなども使いながら最適な映像表現を探り、技術面・表現面ともに高い完成度に到達しています。外部公募での選出実績も含め、挑戦と成果を評価しました。

(和田)それぞれの作品が、技術を使うこと自体を目的としたものではなく、何を伝えたいのか、何を体験させたいのか、そこから手法を選び取り、それぞれの表現を成立させていました。4年間の学びの集大成がここに表現されている点を高く評価しました。

皆さん、今日の受賞はゴールではなく、次への挑戦へのスタートです。これからも同じ表現ばかりを追求するのではなく、素材や技術、新しい発想を横断して、自らの表現を広げていってください。受賞おめでとうございます。