研究部門賞
なわてんグランプリ 2023年度なわてん

2023年度なわてんグランプリ【研究部門】受賞作品のご紹介


研究部門賞には8作品が選ばれました。受賞された皆さんおめでとうございます!
審査委員を代表して、デジタルゲーム学科の沼田哲史先生に解説していただきました。

  1. 日中両国におけるボードゲームを用いた教育の現状分析の研究
    ゲーム&メディア学科 王帥さん
  2. RoboCup SSL Humanoid における歩行動作の選択の改善と複数キック選択のキックプレイへの応用
    情報学科 坂根隆斗さん
  3. 手の動きを用いた非接触インタラクション方法の検討
    情報学科 藤村怜さん
  4. 深層強化学習を用いた金融取引モデルにおける特徴抽出層の改善
    情報学科 中川怜奈さん
  5. 三国志武将パラメータの変遷〜ゲームへの影響についての研究〜
    デジタルゲーム学科 森田一平さん
  6. コンピュータ版平安大将棋の開発
    デジタルゲーム学科 木山雅貴さん
  7. 文化遺産のデジタルアーカイブのための点群データの設計値の抽出と軽量化に関する基礎的研究
    情報学科 小林満里奈さん
  8. VR能体験システムの改善
    情報学科 佐々木奏太さん

日中両国におけるボードゲームを用いた教育の現状分析の研究 王帥さん

この研究は、教育におけるボードゲームの活用という斬新なテーマに取り組み、日本と中国の教育システムにおける応用方法の違いを比較分析しています。この研究により、教育方法の多様性と文化的背景の影響が示唆され、教育技術の国際的な理解を深めることに貢献しています。また、異文化間での学びの共有と革新的な教育戦略の開発にも寄与する可能性があると評価されました。

王さんのコメント

本当にびっくりしました。今回は、この論文を評価していただけたことを本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。そして、私の論文を書き上げるためにいろんな指導をしてくだった木子先生に感謝します。私は、中国の留学生として日本に留学して、本当に良かったです。とてもうれしいです。今後は、国の高い優れたものを取り入れる知性を忘れず、今後も頑張りたいと思います。

RoboCup SSL Humanoid における歩行動作の選択の改善と複数キック選択のキックプレイへの応用 坂根隆斗さん

この研究は、RoboCup SSL Humanoidカテゴリーにおけるヒューマノイドロボットの歩行動作とキックプレイの選択を改善することに焦点を当てています。新たに開発されたキックアクションと、意思決定プロセスの向上を通じて、ヒューマノイドロボットサッカーのパフォーマンスを顕著に向上させた点が評価されました。この革新的なアプローチによる実験的検証と実践的な応用の有効性は、ロボット工学および人工知能分野において先進的な研究として高く評価されるべき成果を示しています。

坂根さんのコメント

今回は、このような賞を受賞でき、大変うれしく思っております。自分の研究が評価されてとてもうれしいです。指導していただいた升谷先生にとても感謝しております。ありがとうございました。

手の動きを用いた非接触インタラクション方法の検討 藤村怜さん

この研究は、ARを活用した楽器演奏システムを通じて、手の動きを用いた非接触インタラクション方法を検討し、実装したものです。メニュー選択や楽器演奏を直感的なジェスチャで行えるようにすることで、従来のコントローラーや画面タッチ操作に代わる新しい操作方法を提案しました。このシステムはグランフロント大阪で展示され、一般ユーザーを対象とした評価実験も実施されています。非接触で直感的な操作が可能な点や、実際のユーザーによる評価を得ていることが高く評価され、今後の研究発展に向けた大きな期待が寄せられています。

藤村さんのコメント

研究部門で賞を取らせていただきましたこと、非常にうれしく思っております。ありがとうございます。私の研究は、非接触で操作を扱うために適した技術を模索し、その技術に合わせてジェスチャーを改良することから、手が得られる多くの情報をどのように生かし反映するという地道な作業が大半を占めていましたが、その結果をジェスチャーとか手の動きの反映につながって、そのことを評価していただけたのかなと思っています。このような賞を受賞させていただき非常にうれしく思っております。ありがとうございます。

深層強化学習を用いた金融取引モデルにおける特徴抽出層の改善 中川怜奈さん

この研究は、金融取引モデルにおける利益最大化問題に対して、深層強化学習を用いた特徴抽出層の改善を提案し、実装しています。特に、既存の深層学習モデルに頼ることなく、独自のモデルを考案し、その実装と評価を行った点が評価されました。この研究により、従来の手法を上回る良好な結果を達成し、金融取引の分野における深層学習の応用可能性を示した点が、特に評価されています。

中川さんのコメント

この度は、受賞できたことを大変うれしく思います。私が行った研究では、金融取引を行う強化学習モデルにおいて、どのような株価指標の傾向であっても安定した利益が得られるように状態の観測を行う特徴抽出層に着目し、改良を行いました。提案手法の独自性を評価していただけたこと大変うれしく思います。またこの賞を受賞できたこと大変光栄に思います。ありがとうございました。

三国志武将パラメータの変遷〜ゲームへの影響についての研究〜 森田一平さん

この研究は、コーエーテクモゲームスの「三國志」シリーズにおける武将パラメータの変遷と、そのゲームデザインにおける外部コンテンツとの関係性を詳細に分析したものです。特に、テレビ番組やコミックスなど他メディアからの影響をゲームキャラクターのステータスや描写の変化を通じて具体的に示し、これらの相互作用がゲーム開発に及ぼす文化的な影響を明らかにしています。ゲームと他メディア間のクロスオーバーの効果を探求し、文化的交流がクリエイティブな作品にどのように影響を与えるかについて新たな洞察を提供するという先駆的な研究が高く評価されました。

森田さんのコメント

まさか研究部門で賞を頂けると思っていなかったので、とてもうれしいです。ありがとうございます。

コンピュータ版平安大将棋の開発 木山雅貴さん

この研究は、古代将棋の一種である平安大将棋の対局者人口を増やす目的で、コンピュータ版の開発に成功し、2人対局、AI対局、ネットワーク対局、対局観戦、棋譜再生・検討の5つの機能を実現した点が評価されました。これにより、平安大将棋を含む古代将棋の研究や普及に新たな動きが生まれ、同分野の研究加速が期待される成果として評価されています。

木山さんのコメント

受賞できてうれしいです。僕の研究は古代将棋の平安将棋を普及させるためにコンピュータ版を開発するというもので、主に開発と配布、小規模でありますが配布で意見ももらったりできました。研究室の高見先生並びに古代将棋メンバーの前野くんと村上くんのご協力があって、開発に専念できました。この場を借りてお礼を述べさせていただきます。本当にありがとうございます。

文化遺産のデジタルアーカイブのための点群データの設計値の抽出と軽量化に関する基礎的研究 小林満里奈さん

この研究は、文化遺産のデジタルアーカイブ化のために、点群データから設計値を抽出し、データ量を削減しながらも合理的な精度で保存する技術を開発した点が評価されました。さらに、地域の文化遺産に対して計測実験を行い、実地での応用可能性を確認していることも、この研究の実用的な意義を強調しています。

小林さんのコメント

受賞できてとてもうれしく思います。文化遺産の保存方法はあまりないので、このように選んでいただいて、実用性も評価していただいてとてもうれしく思います。また、同研究室の人に協力をいただいたのでとても感謝しています。ありがとうございました。

VR能体験システムの改善 佐々木奏太さん

この研究は、VR技術を用いた能体験システムの改善において、日本の伝統文化である「能」を鑑賞・体験するという新しい試みを行い、そのアプローチが興味深いと評価されました。単にシステムの構築に留まらず、その評価にも重点を置いており、さらには将来の改善・改良に向けた視点も持っていることが、この研究の強みとして評価されました。研究者が幼少期からお父様に習った能の技術を基に、新しい技術での継承を試みた点も特に評価されました。

佐々木さんのコメント

私の研究がそもそも能の文化、能文化の普及に貢献しようというものでして、このような場で取り扱っていただけること非常にありがたく思います。昨今、能文化だけに限らず、古典芸能、日本の伝統文化のデジタル化というものも多く問題として取り扱われています。僕の研究が最初の入口になったらと思って、これからの研究活動もがんばっていこうと思っています。ありがとうございました。

受賞された皆さん、おめでとうございました!
そして、今回出品されたすべての卒研生のみなさんに拍手を送ります!
作品はオンラインサイトで3月29日までご覧いただけます。
ぜひコメントやいいねボタンで応援をおねがいします。